はじめてのMRI検査

日記&思ふこと

今年の2月に久しぶりに健康診断に行ってきたのですが、その話の続きです。

簡単に経緯を申し上げますと、今年の2月に数年ぶりに無料の健康診断へ行ってきたのですが血液検査で中性脂肪が正常値より低いということで”要精検査”となり、3月に大きな病院の内分泌科へ受診することになりました。受信した結果、中性脂肪はそれほど問題ではなかったのですが、貧血が気になるということで産婦人科の受診を勧められました。そして翌日、同じ病院の産婦人科でエコーをしてもらったところ”子宮腺筋症”という子宮の筋肉が分厚くなってしまう症状が確認されました。この症状は生理を止めることでこの筋肉の肥厚を止めることができるということで、薬で生理を止める処置をすることになりました。その薬は飲み薬と注射と選べるのですが、注射の方が割安ということで月1回注射をうちに行くということになりました。

それからの続きなのですが、その生理を止める注射の1回目は、生理がはじまって5日以内に打つ必要があるということで、生理が来そうな日(初診から2週間後の3月中旬ごろ)に予約して行ってきました。

注射といったら腕に打つと当然のように思い、肩が出しやすい服を着ていきました。すると、、、なんとその注射はお腹の皮下脂肪にうつ注射でして、、、最初に確認しなかった私も私ですが、まさかそんなお腹に打つとは想定外すぎて驚きのあまりかなりうろたえましたが、当然大人ですし「やめます」とも言えず、なされるがままにお腹にしっかり注射してもらいました。処置してくれた看護師さんがお上手だったのか思ったほど痛くありませんでした。

「この注射で今回の生理は止まりません。逆にいつもより多めに出血するかもしれません。けどその後の生理はピタッと止まってくると思うから頑張って」と看護師さんにアドバイスを受けその日は終わりました。

案の定、この時の生理は驚くほどの出血で、、ただでさえ貧血なのに更に血の気の引いた感じになってしまいました。しかし、デトックスな感じもしたので「体にとって不必要なものが排出されているんだな」と前向きに捉え生理が終わるまで大人しくしていました。

それから1ヶ月後の4月中旬、2回目の注射の日がきました。この産婦人科は総合病院の中にある科なのでドクターが2人いらっしゃいます。日替わりで先生が変わるので、予約する日によってドクターも変わってきます。本当は同じ先生に見てもらいたかったのが本音ですが、ちょうど私の都合と注射をするタイミングの都合が合わず、この日は初診とは別の先生の受診となりました。その別のドクターはこの産婦人科の看板ドクターみたいな感じで、権威のある中年の男の先生でした。

うっ、中年男性の祟りがまだ鎮まっていなかったのか、、と若干恐怖におののきながら2回目の注射の日を迎えました。

すると、先生曰く「MRI検査ってした?」と。

私「いいえ、していません。というか生まれてこの方したことありません。」

先生「エコーの画像だと、その時診た先生でしか細かいことがわからないんだよね。あと最初にMRI撮っとくと薬の効き具合も比較できたりするし、隠れた病気にも気づけたりするんだよね。どうする?必要ないと思えばやめとくけど。」

私「え、、じゃあ、やります。けどMRI検査ってお値段おいくらですか?(すぐお金のこと聞くw)」

先生「(看護師さんに聞きながら)1万円くらいかな。まあ、どっちでもいいよ。」

私「うーん。(ここでこの話が出るってことはやった方がいい気がしてきた、、)やります。」

先生「じゃあ、早い方がいいから来週でMRIの予約とっておくね。そしてまた1ヶ月後の注射の時に結果もお伝えします。」

ということで、思わぬ感じでMRI検査を受けることになりました。

MRI検査当日、この日は産婦人科ではなく放射線科(確かこんな名前)へ直接いき、MRI検査だけしてそのまま帰るという流れ。

受付を済ませ、注意事項を聞いていざ検査室へ。

すると、、、MRIの機械がでーんと置いてある部屋に不思議な音楽が流れているではありませんか?

これは何の音楽だろうと後で調べたところ、、

こんな感じの伝統音楽でした。

無機質な機械だけが置いてある空間にこの音楽のミスマッチ。このミスマッチさが私の笑いのツボを押してしまったようで、すでに笑いが止まりません。ですが、なんとか笑いをこらえていると放射線技師の方がいらっしゃって、機械の上に仰向けに寝るよに指示されたので靴を脱いで横になると、今度は何の前触れもなくヘッドフォンを持ってきて、「機械の音がうるさいので、このヘッドフォンをつけていただきます。音楽が流れています。20〜30分ほどかかりますので、気分が悪くなったらこのボタンを押してください。」そう言いながらヘッドフォンを私の耳につけてくださり、コードのついたボタンを手に持っているようにと言われました。

そのヘッドフォンからはクラッシく音楽が流れているのですが、結構な大音量。ヘッドフォンをした瞬間に放射線技師さんが発する声はもう聞こえません。そしてそのままMRIスタート。ゆっくりと私の上を半円形のカバーが通過。結構な至近距離で、閉所恐怖症の人はちょっと厳しい環境だなと思いながら、私も若干、いやかなりの圧迫感を感じながらヘッドフォンから流れてくる大音量のクラッシックで何とか気持ちを落ち着けようと努めました。

半円形のカバー顔の上でちょうどきたあたりで動きが止まると、今度は機械から「ゴゴゴー、ゴゴツ、ゴゴゴー」とヘッドフォン越しからも聞こえてくるほどの更に大きな音がしてきました。この音は数分間隔で終始鳴り続けていました。機械でありながらアナログ感が半端ないと表現したくなるようなMRI。これは機械が古いからそうなのか?MRIというもの自体の進歩がまだなされていないのか?これが現代の精一杯の技術の代物なのかな?と、この異様で不快な空間でそんなことを考えながら約20分もの間過ごしました。

しかし人間とは慣れる生き物で、そんな不快な環境でも慣れてくるんですね。最初は早くここから抜け出したいと思いつつ、それが無理だとわかると今度はその環境でできることを探します。そして私はこの時「よし、今日この体験から私は生まれ変わるのだ。新しい自分に生まれ変わるためのこれは儀式なんだ」という考えが浮かんできました。そして変わった後の自分をあれこれ想像していました。そうこうしているうちに、検査は無事に終わりました。

このちょっとした思わぬ未知の体験をしたその日は興奮冷めやらぬでしたが、やはり人間は忘れる生き物でして「新しい自分に生まれ変わる」と決心した自分はどこへやら、またいつもの日常に戻りつつありました。検査結果が出るのはそれから3週間後。

検査結果を聞くというのは気持ちの良いものではありません。そこで重大な病気が発覚したらどうしよう、という不安を持ちながらこの3週間過ごしました。しかしながら、その不安が私を行動へと促しました。(その件についてはまたブログで書きます)もしかしたら、あの時「生まれ変わる」と決心したのも効いているのかもしれません。

死を意識するということは、時間が有限だということを意識するということなんですね。また、MRI検査を受けたことで病気や死について改めて考えることができたように思います。それでもまだ怖いものは怖いのですが、、

そうこうしているうちにあっという間に検査結果を聞きに行く日になりました。

結論を先に言ってしまうと「特に大きな問題はありません」でした。

抱えていた不安が一気に解放された感覚。

一日一日を大切に生きようと思えた瞬間でした。

人間なのでまたこの感覚を忘れてしまうかもしれませんが、覚えているうちに今できることを精一杯やりたいとおもいます。

そんな人生初のMRI検査体験でした。

最後までご覧くださりありがとうございました。

それではまた。

南雲華