暴君にならないために

日記&思ふこと

『貞観政要』という書物をご存知だろうか。これは「じょうかんせいよう」といって、誤解を恐れずにいうならばリーダーとなるものが”暴君にならないための中国の書物”のようです。

この貞観政要は、今から約1,400〜1,100年前。中国では唐の時代。日本では平安時代の頃にできた書物で『帝王学の教科書の最高傑作』として知られます。かの徳川家康がこの本を読んでいたとも言われています。現在も普通に書籍として出回っており誰でも読むことができます。

この貞観政要とは別に、中国の書物で有名なものとして「四書五教」というものがあります。これは、私たちが使っている易の占いの哲学書でもある「易経」も含まれる儒教の経書。貞観政要は、この四書五教をもとに唐の第二代の皇帝である李世民(りせいみん)の政治に関する発言や行い、臣下たちとの政治問答を記録した書物のようです。

この李世民が国を治めた時代を”貞観”といい、中国史上最高に平和だったといいうことで”中国において一番の名君が治めた時代”といわれている。そんな”貞観”の時代の政治の要点が記された書物ということで、「貞観政要」というようです。

こむずかしい解説はこのくらいにして、この書籍の何がすごいかというと、この李世民という皇帝は、これまでの中国の皇帝の歴史を学ぶ過程で「なぜ、皇帝はみな暴君になってしまうのか?」というところに焦点を当て、暴君になって国が滅ばないためにはどうした良いか?ということを考えました。

そこでわかったことが大きく2つあります。それが

  1. 皇帝になる前となった後で、同じやり方をしてはいけない。
  2. 仲間や部下の忠告を聞く。

ということでした。

そうなんです。こう聞くと当たり前だと思いますが、これまでの皇帝はこの2つのことができなくて暴君になり滅んでいったようです。

気になる方は書籍を読んで頂ければなと思うのですが、その中でこれは参考になるなと思った『有終の美を飾れない10の理由』というのをご紹介したいと思います。

  1. 馬や宝石等を買い集め異民族から軽蔑される⇨見栄を張る
  2. 人民を軽々しく肉体労働に徴用する⇨部下をこき使う
  3. 大宮殿を作りたがる⇨分不相応な家に住む
  4. 小人に親しみ、徳のある人を遠ざける⇨取り巻きを優遇し、耳の痛いこという人を遠ざける
  5. 商工業を重んじて農業を疎かにする⇨やるべき事を疎かにする
  6. 自分の好き勝手で人材を登用する⇨エコひいきをする
  7. 狩猟などの娯楽に興じる⇨遊んでばかりいる
  8. 臣下への態度がいい加減である⇨目下に偉そうにする
  9. 傲慢で欲望を自制できない⇨自分をコントロールできない
  10. 大災や謀反への備えが疎かである⇨万が一の備えを軽んじる

これを読んで「そりゃそうでしょ!」と思ったのですが、自分がもし皇帝になって、周りからチヤホヤされて、みんなが自分の発言に従ってくれるのが日常であったのなら、、、と考えると、自分に甘い私はこうなってしまうような気がしました。

まあ私がトップになることはあり得ないと思いますが、これは物事がうまくいっている時にも同じことが言えるのではないかと思いました。

特に、私は4つ目の「耳の痛いことを言ってくる人」を遠ざけたくなるところがあるので、素直に聞き入れないとダメだなと改めて思いました。

と言うことで、これからは謙虚にダメ出しも聞いていく姿勢を忘れずに進んでいけたら良いなと思う所存でございます。

「最近、調子に乗ってるな」と思ったら、このことを思い出せたら良いです。

それでは、また。